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千葉大チームが貢献したニュートリノ観測実験の成果が、科学誌サイエンスが選ぶ今年の10大成果に選定

neutrino detectionⒸIceCube Collaboration

2018年12月21日、米国科学振興協会が発行する科学誌Science が2018年の最も革新的であった科学ニュース10件を選び、Breakthrough of the Yearとして発表しました。同Breakthrough of the Yearには、過去、日本人研究者の関わるものとして、山中伸弥博士のiPS細胞の研究(2007年)や JAXAはやぶさチーム(2011年)などが選ばれています。

今年はこのうちの一つに、千葉大学が参加する国際研究チームによる南極での素粒子ニュートリノ観測実験の成果が選ばれました。

千葉大の研究チームを率いる吉田滋教授は、「我々のチームの貢献としては、ニュートリノの信号を即時同定するシステムを開発したことが挙げられます。また、ニュートリノ検出に続いて、天体が明るく輝いていたという二つの事象が続けて起きる確率がどれくらいあるのか、その計算作業をドイツのチームと共に担いました。ただ、これがスタート地点なので、エネルギーの高いニュートリノを放射する天体を特定するだけでなく、今後は放射のメカニズムも解明したいです」と話しています。

国際研究チームは世界12カ国から参画する研究チームで構成され、このうち千葉大チームは、南極のニュートリノ観測施設「アイスキューブ」と世界中の研究者をつなぐ速報システムの開発と運用を主に担当しています。

南極の「アイスキューブ」でニュートリノが検出されたのは、2017年9月23日の早朝のことでした。吉田教授の携帯電話に速報が届いてすぐ、吉田教授は観測設備を持つ研究チームに連絡。日本から10数台の望遠鏡で観測が始まり、広島大学の「かなた望遠鏡」の観測チームが輝きの変化している天体を発見しました。これにより、オリオン座の右側に位置するブレーザー天体がニュートリノの放射源として同定され、翌年の7月に研究成果が Science に掲載されました。

詳しくは、以下の論文、ウェブサイトをご覧ください。

お問合せ先

千葉大学大学院理学研究院附属ハドロン宇宙国際研究センター
Tel: 043-290-2763
Mail:icehap[a]ml.chiba-u.jp
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担当 高橋